2013 JSPSサマー プログラム|特色ある活動|国立大学法人 総合研究大学院大学

特色ある活動

2013 JSPSサマー プログラム

2013 JSPSサマー プログラム

『JSPSサマー・プログラム オリエンテーション2013』を開催

平成25年6月12日(水)、アメリカ合衆国、英国、フランス、ドイツ及びカナダの5か国の博士号取得前後の若手研究者(フェロー)111名が来日し、『JSPSサマー・プログラム2013』が幕を開けました。今年は小雨の降る中、長旅の疲れも見せず、2ヶ月の日本での研究活動に期待を膨らませた111名のフェローが葉山でのオリエンテーションに参加しました。

2013 JSPSサマー プログラム

髙畑学長の歓迎の挨拶で始まった開講式。日本学術振興会や海外協力機関からも多くの関係者が出席されました。来日したばかりのフェロー達は緊張や疲れも見せず、夜の歓迎レセプションでは、翌日の特別講義の講師達と研究について夢中で話しあったり、総研大の教員や総研大レクチャーの参加者の学生と熱心に話し合うフェローも多く見られ、多研究分野・多国籍のフェロー同士の国際交流が活発に始まりました。

第2日目は、日本における研究の特別講義が二つありました。これから2ヶ月間日本で研究活動をするフェロー達にとっては非常に興味深いものとなったようです。まず、東京大学 総合研究博物館の米田 穣教授より、食の多様性とその歴史に関する講義 ‘You are what you ate: The tradition of Japanese foods reviewed from the evolutionary point of view”がありました。身近なテーマである食文化からスタートしたユーモアあふれる講義に、始まってすぐに聴衆から笑い声が響きました。人類の歴史を遡り、いわゆる原人や猿人が何を食べていたのかを化石骨に残る歯から分析する話や、骨の成分を分析することで例えば、古代(縄文)の人々が実は現代人よりもバラエティー豊かな食事をとっていたこと等、人類学の観点から日本列島における人々の生活やその食文化を掘り下げた興味深い研究内容を終始和やかな雰囲気で説明される米田先生の講演に、フェロー達も熱心に聞き入っていました。

続いて行われた、海洋研究開発機構 白山 義久理事の’ Understanding and Protecting Marine Biodiversity’の講義では、海の生物がいかに多様であるかを様々な海洋生物の写真とともに示していただきました。例えば、数センチの大きさに及ぶ、細菌の群体や、調べると常に新種の生物の発見がある海底の泥に潜む線虫など、不思議な生き物の存在に、海洋のもつ多様性の具体例を示していただきました。また、それと同時に現在海洋で進んでいる環境汚染(海の酸性化)が実は地球大気の二酸化炭素濃度の増加により引きおこされていること、温暖化よりも実は深刻な問題であることをお話しいただきました。JAMSTECの世界最高水準を誇る施設や設備紹介をした部分では、身を乗り出して聞き入るフェローも多く、深海の神秘に迫った講義の終了後には、フェローからJAMSTECの研究に関する質問が相次ぎました。今年のJSPSサマー・プログラムでJAMSTECに滞在するフェロー2名にとっては、特別に素晴らしい機会となったに違いありません。

また3日間のオリエンテーションプログラムに即した内容にアレンジされた日本語講座では、積極的に日本語の学習に取り組む姿から、彼らのこれから2ヶ月間の研究活動に向けた意気込みを感じることが出来ました。日本文化紹介(茶道・書道・折り紙・着付け)では、様々な日本文化体験を通じて、地元のボランティアの方やホストファミリーと交流する姿が地元メディアにも掲載されました(神奈川新聞6月14日(金)朝刊)。14日午後のポスターセッションでは、総研大生や総研大の教職員も加わり、それぞれの研究テーマを超えた活発な議論が、休憩時間を惜しんで交わされました。

梅雨の晴れ間に恵まれた週末には、日本家庭でホームステイを体験し、箱根の温泉、鎌倉の大仏見学、魚釣りなど、素晴らしい思い出を作り、16日(日)夕方の帰着時には、ホストファミリーと抱き合って別れを惜しみ、小さな子供たちがフェローとの別れに涙を見せる姿も印象的でした。終了後のアンケートには、フェローの感謝と感動の言葉が綴られ、ホームステイが総研大でのオリエンテーションプログラムの魅力の一つであることを再認識しました。

17日(月)には、元東京藝術大学教授の安藤政輝先生の講演及び邦楽演奏がありました。 安藤先生からは日本の伝統楽器についての説明、その後箏、尺八、三味線、十七弦を用いた6曲の楽曲の演奏がありました。講演の際には、安藤先生から箏の糸(絹)が配られ、フェローは絹糸を撚り合わせて作られた糸を実際に観察しながら、講演と演奏に聴き入っていました。最後の演目の演奏後には、全員が立ち上がり、なかなか鳴り止まない拍手から、彼らの大きな感動が伝わってきました。質疑応答の後、フェローが直に楽器に触れ、音を出してみる機会が提供され、檀上に用意された箏や三味線、尺八に触れてみたいというフェローが長い列を作りました。

オリエンテーション期間中は梅雨空に覆われた今年のJSPSサマー・プログラムでしたが、最終日の18日には、これから全国の受入機関に旅立つフェローに声援を送るような晴天に恵まれ、全てのフェローが、全国各地の受入機関に向け、旅立っていきました。8月20日の報告会では、2ヶ月間の研究活動を終えた彼らがどんな成果を報告してくれるか今から大変楽しみです。それぞれの機関で精力的に研究活動に従事することにより、彼らのエネルギーが日本の大学教育および学術交流の国際化を促進することを祈念します。

『JSPSサマー・プログラム 報告会・送別会』が開催されました

JSPSサマー・プログラムで、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・カナダ5ヶ国から来日した113名の若手研究者(フェロー)が、全国各地の受入機関での2ヶ月間の研究活動を終え、8月20日にホテルグランドパレス(東京)でサマー・プログラムの最後となる報告会・送別会に臨みました。報告会には、日本学術振興会や海外協力機関からも多くの関係者が出席され、各国の協力機関から選ばれた6名の代表者による研究成果が報告されました。それぞれの発表者は、自分の研究成果と日本で体験したことについてバランスよくまとめ、この2ヶ月間の彼らの研究活動や受入機関の研究室の雰囲気、日本での生活で体験したことなどについて垣間見ることが出来ました。発表後は研究分野を超えて、活発な質疑応答が行われ、熱心な学術交流が見られました。

修了証授与式後の送別会には、全国から14名の日本側受入研究者や、6月のオリエンテーションで講演いただいたJAMSTECの白山義久理事と、箏の演奏をしてくださった安藤政輝先生にもご参加いただき、総勢170名が参加する日本滞在の締め括りにふさわしい盛大な会となりました。会場のあちらこちらで再会を喜び合い、研究活動について熱心に話し込む姿や、日本へ再来日し研究活動を続けるためにJSPSの特別研究員のFellowshipについて質問してくるフェローの姿から、この2ヶ月間の日本での様々な経験を通して大きく成長した彼らとJSPSサマー・プログラム2013の成功を強く感じることができました。

今回のサマー・プログラムで及本学び基盤機関に配属されたフェロー達から感想を寄せてもらいました。

Yves PETINOT(NSF:統計数理研究所/Columbia University コンピューター・情報科学工学)

“What is the most impressed thing in this program”
このプログラムで一番印象的な特徴は、現実的な日本での生活(仕事、住居など)に短期間で適応する機会を与えてくれたことです。ただ日本を観光として訪れたのでは決して得られない本物の経験をこの短期間で得ることができたと感じています。

“How was the atmosphere of the laboratory in Japan compared with that of your country”
研究室の雰囲気は素晴らしく、私はいつも研究室のメンバーとリラックスしてコミュニケーションをとることができました。アメリカの研究室と比べて一番大きな違いは、研究室での上下関係がはっきりしていた点です。またもう一つの明確な違いは、こちらはグループとしての意向を大事にすることです。実際このおかげで(意外にも)、自分をすぐに研究室のメンバーの一員として認識することができました。

“How was your research through this program”
一番大変だった部分は、研究に専念することと、新しい環境でできるだけ多くのことを経験すること(これもこのプログラムの主旨の1つだと認識しています)とのバランスをうまくとることでした。

“Short message about this summer programs”
このサマー・プログラムを運営してくれたすべての関係者に感謝しています。このプログラムを円滑に運営するために、どれほど多くの準備が必要だったことかと思います。その結果として、私は日本での新しい体験以外は何も心配せずに、自分の時間を有効に使うことができました。この夏体験したすべてのことは、私のこれからの日本での挑戦に大変役立つものであることを確信しています。

Jonathan ROOT(NSF:統計数理研究所/Boston University 数学・物理科学

“What is the most impressed thing in this program”
自分が日本に滞在し研究や日本の文化や人間関係をフェローシップとして体験できたことが今でも信じられない思いです。最高の経験となりました。

“About Orientation program”
オリエンテーションは総じて素晴らしく、特にホームステイと毎日の食事の内容がよかったです。日本語授業は、これまで日本に全く触れていなかった初心者には、広範囲に渡りすぎていたように思います。教材に多くの内容を詰め込みすぎていたように感じました。

Richard VEALE(NSF:生理学研究所/Indiana University コンピューター・情報科学工学)

“How was the atmosphere of the laboratory in Japan compared with that of your country?”
意外なことですが、アメリカと日本の研究室の違いをあまり感じませんでした。研究室で過ごす時間の長さは若干違いがあったと思いますが、研究分野の違いのせいかもしれません(computer scienceとphysiology)。アメリカのcomputer scienceの研究者は、朝の出勤はたいてい遅い傾向にありますが、日本の研究室の同僚は、朝早くに出勤しても夜遅くまで研究室に残っていました。

“Short message about this summer programs”
日本での体験を大いに満喫しました。すぐにも日本に戻ってきたいと思っています。今後、JSPSの特別研究員のフェローシップに応募して、NIPSの素晴らしい仲間たちとともに日本での研究活動を続けられることを切に望みます。アンケートの質問事項にはなかったのですが、チューター制度はとても役立ちました。滞在期間中チューターには大変助けられましたし、彼のおかげで素晴らしい時間を過ごすことができました。

Anja BATRAM(DAAD:国際日本文化研究センター/Ruhr-University Bochum 日本史)

“How was your research through this program”
日本での2ヶ月間の研究活動では、とてもいい成果が出せたと思っています。ドイツでは見ることができなかった多くの研究資料に簡単にアクセスすることができ、そのおかげで現在の日本での研究状況に応じて自分の研究テーマを変更し、発展させることができました。国際日本文化研究センターには素晴らしい内容の多くの文献が所蔵されており、おかげでこれまでの自分の研究アプローチが間違っていたことに気づくことができました。

“About Orientation program”
短期間に集中して多くのプログラムに参加するのは大変でしたが、非常に充実していました。オリエンテーションの日本語授業のおかげで日本語をブラッシュアップできたので、総研大の学生やいろいろな国から来ている若手の研究員たちとの交流を楽しむことができました。

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