プレスリリース概要
哺乳類と鳥類の脳サイズ進化に関する新しい法則
写真:北米に生息するミドリツバメ(Tachycineta bicolor)の生後3日齢の雛。これほど未発達な状態で生まれる動物は脊椎動物の中で哺乳類と鳥類にしか見られません。私たちの研究から、哺乳類と鳥類の特別な発達様式が脳サイズの進化と密接な関係を持っていることがわかりました(写真提供者:Andrew Iwaniuk・レスブリッジ大学)。
このデータを使って、私たちまず大きい動物は大きい脳を、小さい動物は小さい脳を持つという関係が全ての脊椎動物で共通していることを示しました(図1)。この関係は「アロメトリー」と呼ばれています。脳サイズと体サイズの間にアロメトリーの関係が見られることは以前から知られていましたが、主要な脊椎動物の分類群全てを含むデータでアロメトリーを示したのは私たちの研究がはじめてです。
図1.体サイズと脳サイズのアロメトリー
色と縁の異なる多角形はそれぞれの分類群に属する動物のうち95%の体サイズと脳サイズを内包する範囲を示しています。
図2.種間のアロメトリーと種内のアロメトリー
実線は同じ種の成体の個体間における脳サイズと体サイズの関係を、破線は異なる種間における脳サイズと体サイズの関係を示しています。
図3.発生初期から成体までの発育期間における体サイズと脳サイズの関係
破線は発生初期から減退成長期までにおける脳サイズと体サイズの関係を、実線は減衰成長期における脳サイズと体サイズの関係をそれぞれ示しています。
Posted On 2018.08.14 By 広報社会連携係
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