2026.07.16
内モンゴルの牧畜社会における仏教実践に関する文化人類学的研究
SOKENDAI研究派遣プログラム 採択年度: 2025
WUNIERSAIHAN
アラシャ盟の牧畜民家庭で行われた読経儀礼。ラマ僧が定期的に信者宅を訪問し、僧院外の日常空間でも仏教実践が続けられている。
本研究は、中国・内モンゴル自治区アラシャー盟を事例に、文化大革命以降、チベット・モンゴル仏教が僧院外の生活世界の中で、どのように維持され、実践されてきたのかを明らかにすることを目的としています。とくに、仏教実践が僧院という制度的空間だけではなく、信者宅や牧草地、移動生活の中でも続けられてきた点に注目しています。これまでの仏教研究では、僧院制度や宗教組織が主な研究対象とされてきたため、日常生活の中で行われる実践は十分に論じられてきませんでした。そこで報告者は、アラシャー盟でフィールド調査を行い、牧畜民の家庭に滞在しながら、読経や供養儀礼への参与観察、ラマ僧や牧畜民への聞き取り調査を進めています。
調査を通じて、ラマ僧が牧畜民のところを訪問して行う読経や供養儀礼は、家畜や土地との関係に関わる実践として続けられていることが見えてきました
本研究は、大きな社会変化の中でも続いてきた宗教実践のあり方を考える手がかりになると考えています。今後は、現地調査をさらに進めながら、日本やヨーロッパでの研究発表にも取り組みたいと考えています。
派遣先滞在期間
Date of Departure: 2026/01/27
Date of Return: 2026/04/26
国、都市等
フランス、ハンガリー
機関名、受入先、会議名等
高等研究実習院(EPHE)エトヴェシュ・ロラーンド大学(ELTE)
派遣中に学んだことや得られたもの
本派遣では、EPHEで開催された文化人類学・宗教人類学に関するセミナーや研究会に参加し、研究者や大学院生との交流を行いました。また、指導教員との面談を通じて、博士論文の調査計画や今後の研究の進め方について議論しました。さらに、ハンガリーのELTEでは、研究者や大学院生との交流に加え、博士論文に関連する文献の調査を進めました。異なる分野の研究者や大学院生と議論を重ねる中で、博士論文の構成や研究課題の書き方について改めて考える機会となりました。
人類文化研究コース WUNIERSAIHAN
報告者は現在、総合研究大学院大学とフランス高等研究実習院(EPHE)の共同博士課程に在籍しています。