2026.09.10
第一線の研究者と世界中からの学生が集まるプログラミング言語サマースクールへの参加
SOKENDAI研究派遣プログラム 採択年度: 2026
川上竜司
私は、ソフトウェアの安全性検証に関する最先端の知見を広げるため、プログラミング言語サマースクールOPLSS 2026に参加しました。OPLSSは毎年オレゴン大学で開催され、世界中から100人を超える学生が集まる、プログラミング言語分野で著名なサマースクールの一つです。参加者の多くは博士課程の学生であり、第一線で活躍する研究者が講師となり、学生の研究への新たな洞察につながる先端的な話題について、2週間にわたり講義を行います。また、参加者は大学内の寮に宿泊するため、学習に集中すると同時に、参加者同士で活発に交流できる環境が整っています。
私はOPLSSを通じて、特にプログラム検証における重要な理論の一つである分離論理への理解を深めることができました。分離論理の研究を牽引する研究者であるDerekは、分離論理に基づき、一般的な枠組みで形式証明を記述できるツールIrisについて講義しました。その講義を通じて、複数の処理が相互に干渉し得る複雑な並行計算をどのように検証するか、また従来の分離論理が主に扱ってきたメモリだけでなく、権限や状態遷移といった様々な計算資源について、統一的な枠組みでどのように推論できるかを学びました。
今後は、型システムを利用した計算資源の安全な使用に関する自身の研究に、これらの知見を生かしていく予定です。とりわけ、分離論理に基づく資源についての局所的な推論を、本研究で用いている型状態による検証へ応用することで、より洗練された研究へ発展させていきたいと考えています。
派遣先滞在期間
Date of Departure: 2026/06/21
Date of Return: 2026/07/06
国、都市等
アメリカ合衆国オレゴン州ユージーン
機関名、受入先、会議名等
オレゴン大学
派遣中に学んだことや得られたもの
本派遣プログラムを通じて、先端的な研究トピックについて幅広く学ぶことができました。また、講義以外にも、研究へのモチベーションの保ち方や論文執筆のコツなど、学生から寄せられた質問に講師陣が答えるパネルディスカッションがあり、今後の研究者としての生活をより具体的に考える機会となりました。さらに、他の学生との交流を通じて、研究への熱意や不安を共有し、互いに刺激を受けることができました。これらの経験は、今後の研究活動における大きな糧になると考えています。
情報学コース 川上竜司