2021.01.01

2021年 学長・年頭のご挨拶

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みなさま、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年は、新型コロナウイルスの感染が世界的に広がり、緊急事態宣言が出されたり、その解除のあともまた第2波、第3波がきたりと、思ってもみなかった状況になってしまいました。事態はまだあまり変わらず、みんなで集まって楽しくワイワイやることができないのは、とても残念です。

しかしながら、このコロナ禍と呼ばれる事態は、これまでは変えようと思っていても変えられなかったことを、変えるように私たちに強制し、これまでは当然だと思い込んでいた価値観を考え直す機会ともなりました。オンラインで在宅勤務をすることなど、何年も前から提言はされていたし、技術もそれなりに発達していました。また、満員電車で毎日通勤することも、何かおかしいと誰もが思いつつ、それを止めるという決定ができませんでした。認知的には理解していても、なかなか変えることはできない。人間というものは、切羽詰まった外圧がない限り、変わることができないのか? 日常という慣性の強さを改めて感じた次第です。

今までと同じことはできないとなると、どうしたらよいのか。オンラインや在宅の良し悪しもだんだんにわかってきました。どんな暮らし方が良いのか、みんなで学んだ結果として、少しずつ改善していけると思います。でも、やはり人間はみんなで集まって顔を合わせ、互いに場を共有しながら共同作業をしなければならない存在なのだと思います。なぜなら私たちは社会性の動物なのですから。

院生のみなさんの研究と生活の状況はいかがでしょうか? 困っていることで、大学が何かできるはずだと思われることがありましたら、遠慮なくご連絡ください。実際に何ができるかわかりませんが、精一杯、みなさんのためになることを探りたいと思っています。こんな中でも、みなさんの研究が進み、無事に博士論文を書き上げることができるよう、お祈りします。いろいろあるけれど、研究は楽しい、という気持ちが前進の原動力です。そして、未来の社会を築いていくのは若い世代のみなさんです。これまでの文明のあり方を考え直し、新しい価値観を提言していってください。

教職員のみなさんも、いろいろと異なる面で大変なことと存じます。しかし、どんなことになっても、なんとか乗り切っていこうという前向きな視点を忘れないようにしましょう。 2021 年は、また、大学の運営にとって新しい展開の時でもあります。第3期の中期目標・中期計画の最後の年ですし、第4期に向けて新たな挑戦を始める年でもあります。課題も山積みですが、これも、悲観的になることなく、いろいろと考え、議論し、少しでもよい方向に向かって進んでいきたいと思います。

今年は丑年。あせらずゆっくりと、でも着実に歩んでいきましょう。みなさんのご活躍をお祈りいたします。

総合研究大学院大学 学長
長谷川眞理子

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