2025.03.24
2024年度春季学位記授与式 学長式辞
本日,ここに学位を授与され,SOKENDAIを卒業される皆さん,誠におめでとうございます。皆さんがこれまで積み重ねて来られた努力に心から称賛を送るとともに,今日に至るまでご指導くださった教員の方々,皆さんを支えてこられたご家族の方々に深く感謝いたします。
皆さんは,本学の大学院課程において,専門的な知識と研究手法を修得し,未知の問題に挑戦し解明する力を身につけてこられました。本日でSOKENDAIを離れ,それぞれの道を歩まれることになりますが,何処でどのような仕事をされるにせよ,SOKENDAIで積まれた研鑽と経験は,必ず皆さんが将来を切り拓いていく力になると確信します。
さて,本日卒業される皆さんにひとつ申し上げたいことがあります。それは,
ここでお伝えしたいのは,博士号を得たことを誇りに思ってくださいという事ではありません。皆さんがSOKENDAIに入学された時のこと,そしてこれまでの大学院生活を想い起してください。SOKENDAIに入学した動機や経緯は,それぞれに違っていたことでしょう。しかし,皆さんに共通していることは,それまで自分が慣れ親しんでいた環境を離れてSOKENDAIに入ってきたこと,そして,周囲の殆どが研究者という,経験したことがなかった環境のなかで,学位論文研究を行ってきたことです。自分がやりたいと思うことのために敢えて環境を変えることを厭わない。新たな環境の中で自分がやりたいことを見失わず,目的に向かって進むことができる。このふたつはとても大きな能力です。その能力を使って自分は今日ここに至っているのだということに自信を持ち,それを誇りにして欲しいのです。
今,国際社会に眼を向けると,気候変動と環境問題,貧困と格差,政治的な対立と紛争など,様々な課題が嘗てない程に社会を脅かしつつあります。人工知能が爆発的に普及していく中で,10年後の人類社会の姿を想像することさえ困難な状況です。そんな先の見えない時代だからこそ,皆さんには,自分に誇りを持ち,自らを信じて,未来を切り拓いていって頂きたい。
どうぞ,そのことを胸に,元気よくSOKENDAIから飛び立ってください。
本日は本当におめでとうございます。皆さんのこれからの活躍を期待しております。
2025年3月24日
総合研究大学院大学 学長
永田 敬