2025.04.08
2025年度春季入学式 学長式辞
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
2025年度春季入学式 学長式辞
総合研究大学院大学SOKENDAIに入学された皆さん,入学おめでとうございます。本学の教職員を代表して,皆さんの入学を心から歓迎します。
皆さんが入学されたSOKENDAIは,優れた研究環境を有する国立研究機関を教育の場として,次世代を担う博士人材を育てることを目的とした大学院大学です。1988年の創設以来,文学・理学・工学・情報学などの様々な学術分野に2,500余名の博士人材を送り出してきました。皆さんも,全国の研究機関で博士号を目指して新たな一歩を踏み出される日を迎えて,新鮮な気持ちでおられると思います。
そんな皆さんに,どのような意識をもって大学院時代を過ごして欲しいかを私なりにお伝えしたいと思います。ひとことで言うと,
大学院課程のゴールは,勿論,博士の学位を取得することです。しかし,皆さんにとって博士の学位は単に結果であって,きっと皆さんは,ある事に興味や関心があって研究をやりたい,そのために専門知識や研究手法を身につけたいと思って大学院に進まれたのだと思います。学問的な興味や関心は皆それぞれに違いますから,学位取得というゴールは同じであっても,どのような研究テーマに挑戦し,どのように研究を進めていくかは,皆さんそれぞれに異なるでしょう。ですから,SOKENDAIでこれから何を学んで何を身につけるかは,ここに居られる皆さんの数だけヴァリエーションがあります。先程の言葉は,何をどう学ぶにせよ,皆さんに意識して頂きたいのは,自分の強み,それを「自分の角」という言葉で表現しましたが,その強みを最大限に伸ばすことを心掛けて欲しいということです。
私なりに極言すれば,研究は個性そのものです。研究者が百人いれば,百通りの研究がある。その時に自分の強みを最大限に活かすことが高いオリジナリティに繋がります。それは,研究に限らず,どんな仕事にも共通していることです。皆さんが本格的に研究に取り組むこれからの数年間は,単に学位を取得するためでなく,研究を進めて行く中で自分の強みが何であるかを認識し,その強みを磨いて独自の研究スタイルを確立していくために最も大切な時期でもあるのです。
皆さんが,そのような大切な時期に十分に研究・学業に専念できるよう,大学も,教職員一同も,出来る限り皆さんを支援していく所存です。
改めて,本日はご入学おめでとうございます。
2025年4月8日
総合研究大学院大学 学長
永田 敬