学生の海外渡航について

本ページでは学生の海外渡航に関する手続き等を案内しています。

総合研究大学院大学では、「学生の海外渡航ガイドライン」を定めるとともに、学生の「海外渡航ハンドブック」を発行し、海外渡航の手続きなどについて案内しています。
本ページ、ガイドラインおよびハンドブックを参照し、必要な手続きをとり、安全に渡航するようにしてください。

渡航前の準備

全員が行う作業・手続き

渡航先の国・地域の状況の把握

外務省の海外安全ホームページでは、海外への渡航・滞在にあたって、特に注意が必要な国・地域の現地情勢や安全対策の目安に関する情報を提供しています。渡航を決める前に、渡航先の国・地域の最新の安全情報を必ず確認しましょう。これらの情報は、渡航の開始前から、渡航を終えるまでを通して定期的に確認するようにしてください。 また、日本国の在外公館(大使館・総領事館等)のウェブサイトでも所管する国・地域に関する様々な情報が掲載されていますので、渡航先の国・地域を所管する在外公館からの情報を定期的に確認しましょう。

渡航先の国・地域への入国・入域に必要な書類・手続き、入国・入域後の行動規制等の確認

日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国に必要な書類、入国制限措置及び入国後の行動制限措置について、必ず最新の情報を得てから渡航しましょう。国によっては、入国や査証取得の際、所持しているパスポートに一定の残存有効期間がない場合、入国や査証の発給が拒否されることがあります。特に、特定感染症が発生した場合、各国の対応策は非常に流動的です。渡航を検討する際には、各国当局のウェブサイトを参照するほか、現地の日本国大使館等に確認するなど、最新の情報を十分に確認してください。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、以下のサイトに情報が掲載されています。

総研大、基盤機関における渡航許可申請または届出手続き

総研大の学生は、総研大に所属しながら、研究所等の基盤機関において研究教育活動を行っていますので、海外渡航にかかる許可手続きは総研大のものと基盤機関のものの2種類がありえます。
かならず必要な手続きをとってから渡航してください。
ここでは総研大における手続きについて概要を案内します。詳細については、以下ウェブページを確認してください。

【総研大への許可申請手続きが必要な場合】

総研大の教育研究活動として実施する海外渡航のうち、外務省が渡航先の国・地域に海外危険情報または海外感染症危険情報のレベル2以上を発出している場合。

<海外渡航届の提出>
渡航中は常に自身の所在を明らかにしておくことが大変重要です。海外渡航(個人的な旅行を含むすべての海外渡航)をする場合は、「海外渡航届」を所属専攻事務に提出してください。 海外渡航届は、渡航先の国・地域等で危機事象が発生したときに、安否確認を迅速に行うためのものです。万一の場合に安否確認が確実に行えるよう、海外渡航届は必ず提出してください。

海外旅行保険の加入

海外では、日本と比べ、医療費が非常に高額になるケースが少なくありません。また、賠償責任を負うような事故を起こしてしまわないとも限りません。こうした事態に備えるため、海外旅行保険には必ず加入してください。補償内容(補償対象や補償額、免責事由等)はご家族とも相談のうえ、必ず渡航に先立って、加入手続きをしてください。 クレジットカードに付帯されている旅行保険がありますが、補償額が低額であったり、制限(渡航の際の航空券等を当該カードで支払っていること等の条件)が設けられていたりすることがありますので、注意が必要です。 渡航中は、必ず海外旅行保険の保険証を常に携行してください。保険証がないと診察を受けられませんので注意してください。 また、基盤機関によっては、保険会社と包括契約を結んでおり、基盤機関が教職員向けに提供する海外旅行保険を利用できる場合があります。専攻事務等に確認してください。

危機管理サービスへの加入

危機管理サービスでは、渡航先での各種トラブルの相談に24時間365日対応する国際ホットライン(日本語対応)や、安否確認用スマートフォンアプリを提供しています。総研大では原則として、総研大の学生の身分で実施される海外渡航において、本学が契約する危機管理サービス(アイラック安心サポートデスク)に登録いただきます。

危機管理サービスへの登録には、申し込みが必要です。以下の申込書を専攻事務を通じて担当部署へ提出してください。

外務省への登録(たびレジ・在留届)

テロや自然災害等の危機事象が発生した際、現地の日本国大使館は、外務省への登録情報をもとに、邦人の安否確認や援護を行います。自分が在留していることを知らせるために、渡航期間に応じた外務省への登録を必ず行ってください。登録すると、最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メール等、リアルタイムで現地の安全情報を受け取ることもできます。
また、外務省の提供する携帯アプリを利用すると、登録した国・地域等に対する安全情報等が発出された際に、プッシュ通知を受信することができるほか、GPS機能を利用し、現在地及び周辺国・地域の安全情報を表示させることも可能ですので、情報収集に活用してください。

 

安全保障輸出管理の確認

日本を始めとする主要国では、武器や軍事転用可能な技術・貨物が、安全保障上の懸念のある国家やテロリストの手に渡ることを防ぐため、国際的に安全保障輸出管理の枠組みをつくり、国際社会が協調して厳格な管理を行っています。
本学や基盤機関で扱われている研究資材や研究情報のなかには、安全保障輸出管理により国外への持ち出しが規制されているものや、秘密保持契約等の制約がかけられているものがあります。これらのものを必要な許可を取得しないで持ち出した場合、法令に違反することとなり、刑罰に処される場合もあります。特に研究等で扱う情報や研究資材を持ち出す必要がある場合には、必ず指導教員に相談し、所属専攻・基盤機関において安全保障輸出管理の確認を受けてください。

安全保障輸出管理に関する相談先
  • 基盤機関に所在する専攻:各基盤機関の安全保障輸出管理担当窓口
  • 葉山キャンパスに所在する専攻:総合企画課研究協力係

 

 

該当者が行う手続き

留学手続き

外国の大学の大学院に留学し、教育を受ける場合は、所定の「留学願」に指導教員の署名のうえ、所属する基盤機関の専攻担当係に提出してください。研究科長の承認を受け、留学することができます。

  1. 留学期間は、原則として1年以内ですが、やむを得ない事情があると認められたときは、原則として引き続き1年以内に限り、その延長を許可することができます。
  2. 留学期間中も授業料の納付が必要です。

名古屋議定書に基づくABS関係手続き

生物多様性条約と名古屋議定書のルールにより、外国から遺伝資源(注1)の採取や取得を行う場合、ABS(注2)に関する手続きが必要になります。手続きを行わないと、提供国の法規に触れて逮捕される、研究が差し止められる、以後の提供国からのサンプル採取が不可能になるなどのリスクがあります。事前に指導教員や専攻に相談しABSに関する必要な手続きをとってから、提供国の法令に従って遺伝資源を取得するようにしてください。

(注1) 「遺伝の機能的な単位を有する植物、動物、微生物、その他に由来する素材のうち、現実の、又は潜在的な価値を持つもの」と定義されています。動物・植物・微生物(ウイルス含む)の個体やその一部は当然のこと、生体内で起こるあらゆる反応によって生じたすべての化合物(いわゆる生化合物)や、遺伝資源の利用についての伝統的知識(薬草の効果)なども対象となっています。
(注2) Access and Benefit Sharing、その国に生息する生物に対して、国が持つ資源として扱い、両国で利益を公正に配分すること。

名古屋議定書・ABS手続きに関する相談先

  • 基盤機関に所在する専攻:各基盤機関のABS担当窓口
  • 葉山キャンパスに所在する専攻:総合企画課研究協力係

各自で準備しておくこと

緊急連絡先等の確認・共有

万が一、事件・事故等に巻き込まれてしまった場合など、緊急時に最初に連絡する場所や、現地の警察・消防等の連絡先を確認し、緊急連絡先一覧(海外渡航ハンドブックに付属)に書き込んでおきましょう。 書き込んだ緊急連絡先一覧は、必ず保護者・家族、指導教員および所属専攻事務に共有しておくほか、渡航中は常時携帯してください。 また、渡航中に研究面や生活面で悩みが生じることがあるかもしれません。そのようなときは、一人で抱え込むことなく、指導教員、日本にいる家族、専攻事務の職員などに、迷わず相談できるよう、あらかじめ連絡先を確認し、あわせて記入しておきましょう。

渡航先の法律・慣習・生活に関する事柄の確認

知っておくべき法律やルール、宗教や慣習(特に、タブーとされる行いがないか等)治安(特に危険な地域はないか、どのような犯罪が起きているか等)、渡航先の生活(気候、水・食べ物、交通にかんすること等)について、留学プログラム担当教職員からの注意を聞くほか、信頼のおけるサイトの情報を参考にするなどしてよく調べ、理解に努めましょう。

衛生・医療事情、感染症発生状況の確認

海外では、衛生状況や医療事情が日本とは異なります。事前にインターネット等から医療に関する情報を確認のうえ、できる準備をしてください。また、加入する海外旅行保険によりキャッシュレスで受診できる医療機関についても、あらかじめ確認しておくことも大切です。
また、体調を崩した際に、日本のように市販薬が容易に入手できない場合があります。普段から利用している常備薬(風邪薬、鎮痛剤、胃腸薬、下痢止め、かゆみ止め、持病の薬等)を日本から持っていきましょう。渡航中は他人に自分の持参した薬を提供しないように注意してください。
地域によっては、ジカウイルス感染症やポリオなどの日本ではなじみの薄い感染症が発生していたり、エボラ出血熱やクリミア・コンゴ出血熱のような致死率が高い感染症が流行していたりしますので、注意が必要です。 外務省海外安全ホームページなどから、事前に最新の情報を入手し、予防接種はもちろん、感染症にかからないための対策などを早めに準備しましょう。
新型コロナウイルスの世界的感染拡大に対する各国の対処状況も事前に調べ、陰性証明書やワクチン接種証明書の取得、渡航先の国が指定する追跡アプリのインストールなど、必要な措置をとってください。

My Health Recordの記入

慣れない環境で、母語でない言葉を介して医療機関にかかるのは大変なことです。国によっては、保護者の同意がなければ治療を受けることが出来ないこともあります。My Health Record(海外渡航ハンドブックに付属)に記入し、万が一に備えて、緊急連絡先一覧(海外渡航ハンドブックに付属)とあわせて携帯してください。また、自身の健康状態について英語(もしくは現地語)で説明ができるように、あらかじめ準備をしておきましょう。加えて、持病(既往症・アレルギー等)や健康に不安がある場合は、必要に応じて診断書や服用中の薬剤等についての情報を英文(もしくは現地語)で用意し、持参・携帯できるように準備しましょう。

保護者・家族等との情報共有

海外での滞在先、フライト情報、緊急連絡先など、渡航に関する情報は、必ず保護者・家族に伝えておきましょう。特に下記の項目については、メモやコピーを残すなどして渡航前の情報共有を忘れずに行ってください。

  • 緊急連絡先一覧(海外渡航ハンドブックに付属)
  • 現地で利用可能な本人連絡先
  • 滞在先情報(国名、住所、滞在施設名称等)
  • プログラム名称・日程表
  • パスポート番号
  • フライト情報(日時・航空会社・便名)
  • 海外旅行保険 被保険者証の写し

渡航中の注意事項

「自分の身は自分で守る」

事前に調べた渡航先の情報などを踏まえ、常に自らの安全確保を意識し、「自分の身は自分で守る」ことを原則に行動してください。特に以下の点に注意しましょう。
トラブル事例とその対策等については、外務省「海外安全虎の巻」を参考にしてください。

危険な場所には近づかない   あらかじめ、どこが危険か必ず調べておくこと
多額の現金・貴重品は持ち歩かない   ATMで現金を引き出す様子は、誰かが見ていると思うこと
目立つ服装や言動は慎む   自らがターゲットにならないようにすること
犯罪に遭ったら抵抗しない   物や金銭より、命を守ることが最優先
 見知らぬ人を安易に信用しない  旅先での好意には、裏があることがある
 常に自分の所在を明らかにし、連絡をとれるようにしておく  万が一の際に自分を探してもらうことができるようにする
渡航先の法律を守り、宗教・文化等を理解し尊重する   「外国人だから」では済まされない
日本国内の法律に抵触する行為はしない   渡航先では合法でも、薬物などには手を出さない
 知らない人から物を預からない

 性暴力について

性暴力についても、性別を問わず注意が必要です。国や文化が違っていても、望まない性的な行為は性暴力です。現地の人だけでなく、自分と同じ出身国の人や友人等から被害を受けるケースもあります。
被害者や加害者となることを避け、もし被害を受けても自分を責めるのではなくすぐに助けを求められるように、どのようなことが性暴力にあたるのか、どのような被害が起きているのか、被害を受けた場合にどうすべきかなどを事前に知っておくことが大切です。

パスポート(旅券)の常時携帯

パスポートは、国外にいる間の身分証明書として常時携帯が求められています。
多くの国で、外国人の滞在を許可するにあたっては、パスポートの携帯が原則となっており、中にはパスポートの不携帯を処罰の対象とする国もあります。
また、パスポートにはその所持者について、日本国外務大臣からの保護要請文も記載されています。海外にいる間、自分の身分を唯一公的に証明するものですので、渡航中は必ず携帯してください。
なお、渡航中はパスポートの顔写真があるページのコピーを持参し、原本とは別に保管しておくことが望ましいです。

健康管理・感染症予防

渡航時には、生活リズムや気候の変化、言葉や文化・食習慣の違い、長時間のフライトや時差などにより、体にも心にも大きなストレスがかかることがあります。十分な食事と睡眠を取るなど、体調管理には十分気を付けましょう。生水を飲むのはやめましょう。また、生ものを食べる場合にはその場の衛生状態を考慮しましょう。暴飲暴食を避けて、自分の体調に合わせて現地の食事を楽しみましょう。
また、感染症予防のため、十分な手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒を徹底しましょう。新型コロナウイルス感染症など飛沫感染をするものに対しては、マスクの着用や社会的距離の確保を行い、"3つの密"(密閉、密集、密接)を避けてください。

定期的な連絡

渡航中は、大学からの安全確認連絡には速やかに応じるほか、長期に渡航する場合には、定期的に(1か月に1回以上)家族や指導教員の先生と連絡を取り合いましょう。
連絡先の変更や渡航予定の変更(期間の変更、渡航先の追加・変更など)が生じた場合は、速やかに大学に申し出て、必要な手続きを行ってください。また家族等にも必ず連絡してください。

渡航終了後について

空港到着時

帰国時に発熱や下痢等、体調不良が認められる場合には、必ず、到着空港の検疫所で申し出てください。また、感染症拡大防止措置等の理由により、帰国後に隔離措置等が講じられている場合には、必ず順守するとともに、措置期間中は毎日専攻へ健康報告をしてください。

帰国の報告

帰国をしたときは、「帰国報告書」を専攻に提出してください。

帰国後の健康状態

帰国後の健康状態には十分に気を付けましょう。病気によっては、帰国後1か月を過ぎて発症するケースがあります。発熱等の症状が続く場合には、速やかに保健所等に相談のうえ、指示に従ってください。

非常時について

事件・事故に巻き込まれたら

万が一、事件・事故等に巻き込まれてしまった場合は、緊急連絡先へ速やかに連絡してください。また、状況に応じて、現地の警察や消防などに直ちに通報し、助けを求めてください。 どこに助けを求めればよいかすぐにわかるよう、緊急連絡先一覧は渡航前に必ず記入し、渡航中は常時携帯してください。

人には、予期せぬ事態に遭遇した際、「そんなはずはない」「自分は大丈夫」などと、普段と変わらないと認識しようとする心理的特性(正常性バイアス)があります。また、「みんな静かだから大丈夫だろう」「他の人も逃げていないから平気だろう」と、取りあえず周りに合わせようとする特性(多数派同調バイアス)も持ち合わせています。これらは、過剰なストレス回避のために備わっている人間の本能でもありますが、他方で、緊急時に迅速な避難を妨げる要因になることでも知られています。
何かがおかしいと感じた時には、このバイアスの可能性を思い出してください。逃げるべきなのに逃げない理由を作り出してはいないか、考えてみることを忘れないでください。自分の身は自分で守ることを思い起こし、適切な行動をとることが出来るように努めてください。

病気に罹患したり・ケガをしたりしてしまったら

必要に応じて医療機関を受診してください。受診に際してはMy Health Recordを活用して既往歴やアレルギーについて説明してください。 感染症の場合、当該感染症専用の相談窓口が指定されているなど、国によって必要な対応が異なることがあります。現地の大使館・総領事館に報告し、必要に応じてサポートを依頼してください。大学にも速やかに状況を報告してください。

海外での生活に悩んだときは

海外の慣れない環境で生活することは、ストレスになることがあります。大丈夫だと思っていても隠れたストレスが心身に現れることもあります。悩みを打ち明けるだけでもストレスが緩和されることもありますので、現地で気軽に話せる友人をつくっておくことが大切です。そのほか、以下も利用できることがあります。ストレスは抱え込まずに相談するようにしてください。

  • 各専攻の学生相談窓口・カウンセラー
  • 海外旅行保険付帯の相談窓口
  • 現地の相談機関

日本語で相談できるこころの相談機関がまとめられています。

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